レベル3について

本来、レベル3という段階はありませんでした。今でも直伝靈氣(4代目の後継者である山口忠夫氏による伝統的な指導方法)では、この段階は存在せず、師範コース(=ティーチャー、マスターコース)に含まれています。レベル3が分離させられた理由は容易に推測されますが「分離しやすい」部分があるからです。それは「マスターシンボル」と呼ばれる一組の「シンボル(印)」と「マントラ(呪文)」を師範になる者はまず受け取るのです。このシンボルとマントラのみを学び、本来師範コースの本体である「エネルギー伝授の秘儀」については教えない。そういうステップとしてレベル3が用意されました。これは西洋において、いつの頃からかこのように教えられるようになりました。ですので、明らかなことは「マスターシンボル」というのは本来は「エネルギー伝授をする段階においてのみ伝達されていた」ものであるので、それだけを学んでもいかほどの意味があるかどうか実に「微妙なこと」です。

というのは、本来の日本の靈氣においては「マスターシンボル」が単独で伝えられることはありえない事でしたから。レベル3という形式が産まれてから、古今東西の教師たちは、このステップをどのように指導してきたのか。実に興味深いテーマです。

自分がペッター氏からレベル3を習得した時は、特にこれといった解説をされたわけでもなく、いつも通りに淡々と瞑想をし、レイキのスタンダードなトレーイングをし、それで完了したのでした。

今、どのようにこの段階を指導しているかというと、「ティーチャーコース」の予備段階として、いつでも次ぎのステップに進んでもいいような準備を十分に整えてもらう為の最善のアドバイスとトレーニングを実践しています。特別になにか新しい事を伝える、ということはありませんし、それは元々のレイキの指導方法の中にも存在していないのです。マスターシンボルについては、いろいろな「応用方法」があるようですが、議論して理解できるようなものではありません。なぜなら、これは「レイキの根源の波動を伝える神秘の中枢、そのもの」だからです。一言で説明するなら、それは「自然の摂理」そのものであり「宇宙が安定し、調和して存在し続けられる根源の波動」とでもいいましょうか。それを「応用する」という考え方がどうにも自分にはしっくりきません。なぜなら、あくまでも「根源」そのものを象徴しているシンボルであり、マントラなのですから。「どう応用するか」ではなく、「どう体現するか」が大切なことです。しかしながら、その方法を初代の臼井先生は「伝授」という形で残しているのです。よって、今、現在の自分の答えは「マスターシンボルは、伝授する為のものであってそれ以上でも以下でもない。その真髄を理解することは、伝授という行為を通じて靈氣の波動がもたらす偉大なる恩恵を他者に伝える事によってのみ為されるだろう」ということです。