レイキの精神性

レイキはとてもシンプルですが、非常に効果的な「技法」です。

・伝授によってエネルギーが伝えられる

 古い言葉では「靈授(れいじゅ)」と呼ばれますが、分かりやすく一般的な表現におきかえて「伝授」と記します。レイキのエネルギーは、教師から生徒に対して「伝授」という方法によって伝えられます。伝授の際に、教師はある方法を用いて生徒の身体にエネルギーを送り込むのです。これを数回、行います。その結果、生徒はレイキのエネルギーに共鳴できる身体になるのです。「伝授」の方法は、教師(ティーチャー、またはマスターと呼ばれる)の段階に進んだ者のみが学び、実践できる秘儀です。

・エネルギーはけっして失われない

 レイキのエネルギーの根源は「自然界の万物が存在する本質」よりもたらされると思われます。初代の臼井先生は、レイキがもたらす神秘的な効果をもってして「いずれ科学がその原理を解明するだろう」と言い残しています。なにか自然科学によって解析し得るような可能性を感じていたのでしょう。レイキの癒しの仕組みはあくまでも「理論的なもの」であり「科学的な裏付けがとれる」可能性がある、という考え方が背景にあります。

・癒しの効果はさまざまであり、個人差がおおきい

 一概に、どれぐらいの効果が期待できるのか。これは個人差があることで、なかなか明確に断言することが難しいところです。しかしながら、有能なヒーラーになりますとその人のエネルギーの状態を霊的な「目」でもって解読し、読み取った上で「かなり正確に予測」することができます。これは長年の経験と研鑽の積み重ねによってのみ、習得し得る技術です。ですから、レイキの指導を受ける際には、その教師がどれぐらいの「ヒーラー」としての資質を兼ね備えているかを学ぶ側はよく事前に調査する必要があると思います。

 たとえば、アメリカ、イギリス、ドイツでは国がレイキを公認しているという事実があります(大きな病院のほとんどでガンの代替治療として患者が希望すればレイキによるヒーリングを受けられます)。イギリスではレイキは辞書にも載っているほどの一般的な単語です(チャールズ皇太子夫人のカミラさんはレイキヒーラーです)。ですが、単純に「レイキでガンが治る」というようなことはあまりにも短絡的であって根拠のない表現です。レイキはけっして「力(パワー)」ではありません。エゴでもってして、病気を強引に追い出してしまうことはできない。病気になるということは、たくさんの要因が重なった「結果」であって、そのことで私達はたくさんの学びを受け取ることができるのです。病気は治すべきもの、というよりは「むきあうべきもの」であって、レイキはあくまでも自然体であることを促す技法です。どちらかといえばまず「心」が安定していきます。同時に肉体的な治癒も加速しますが、けっして無理なテンポで変化をひきおこしたりはしません。その人のあるがまま、優しい無理のない変化の速度の範囲ないでゆっくりと治っていく方向へと導いてくれるのです。

日々の実践と積み重ねこそがただ一つの道であること

 本当にレイキはシンプルな技法です。宗教ではないので、難しい教義もありませんし、覚えなければいけない知識というようなものも、あまり多くありません。ただし、本当にこれだけは決して見失ってはならない、という大切な教えがあります。それは五戒(ごかい)という言葉に集約され、伝えられています。

今日だけは、怒るな
心配すな 感謝して
業を励め 人に親切に

 初代の臼井先生は、この言葉を朝夕、合掌して心に念じ、口に唱えよと教えられました。それさえ実践していられるならば、レイキのもたらす恩恵を最大限に受け取れるのです。でも、この言葉を本当に実践しようと思うとなかなか簡単ではありません。なぜなら、私達の心というのはどうしても怒ったり、不安になったり、また日常生活で様々なストレスを受け取ったりすることがどうしても避けられないのです。でも、一日でもこの教えから遠ざかってしまったら、どんどん心が不安定になり、意欲も低下して人生が思わぬ良くない方向へと堕落していく事もあります。日々、さまざまな試練は耐えない。それが人生というものです。レイキを実践的な「心の平安」を得る技法として実践していければ、もっともっと多くの人が元気になれるのではないかと思います。