ピアノ演奏とレイキ

最初のピアノソロアルバムをレコーディングした当時、自分はまだレイキを修了していませんでした。演奏をはじめた当時は修験道の修業がひとくぎりついた頃で、自分でも精神的にも霊的にも向上が感じられ、いろいろな意味で充実感を味わっていたのです。これならやれそうだ、ということで演奏活動とレコーディングをはじめました。でも、簡単ではなかったのです。

レコーディングをする時は3ヶ月ぐらい前から非常に禁欲的になりました。食事も日常生活も全てがレコーディング当日の本番に向けて集中していく為に、正直をいえばかなりストイックだったし、あらゆる楽しみを我慢して取り組んでいたように思います。そうでもしないと集中できなかったんですね。

コンサート活動も(まだ会社員だったこともあり)いくら集中しても、精力的に続けることはかないませんでした。なによりも演奏の結果があまり納得できるものではなくて、内面的にはかなり挫折感を味わっていたんです。長く続けられるものではないと実感したし、消耗しきってしまい方向性を見失いかけました。

レイキの最初のステップ(レベル1)を学んで、その日から聴覚が変わりました。聴こえる音楽の世界が様変わりをしたのです。音の広がりが自然になり、精神力をあまり使わなくても楽に音楽の世界にはいっていけるようになったんです。演奏にも脱力したままで集中できるようになった結果、音楽の表情も豊かになりました。

半年ほどして次のステップ(レベル2)に進み、その時にも更に変化を感じました。ますます演奏が楽になり、面白くなっていきました。自由に表現できる幅が広がり、少し自信を取り戻せるようになったのです。

レイキを学んでからは年々、インスピレーションの幅が広がっています。形にできるものはけっして多くないのですが、それでも広がりが止まることはなく、日々変化しつづけているのを実感します。アーティストとして表現することがこんなに楽になるとは想像だにしなかったことです。音楽に限らず、創造的な仕事をなさっている方にはレイキのスキルは是非とも身につけてほしいと思います。